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昭和32年、地元の有名な山の名前「市房山」から名づけられた味噌漬け「市房漬」が誕生した。その頃、中学を卒業し集団就職で都会へ出て行く子供達に持たせる母の愛情がたっぷりつまった味噌漬けだった。かさばらず、お土産にもなるように一つ一つ手に持つための紐がかけられた。
 ここ下村婦人会が設立されたのは、戦後の混乱が残る昭和24年。山北幸さん(会長、89歳)を中心に、地元の女性たちの手で現金収入を得るために活動を開始し、初めは、「ほうき」や「ハエたたき」を作り売って回ったが。しかし、継続して収入を得ることは出来なかった。そんな中、毎日食べる「漬物」に目をつけた。大豆と麦を持ち寄り味噌を作り、そして、会長の家の軒下に樽を置き、持ち寄った野菜を漬けた。無添加・無着色、愛情いっぱいの手作りはずっと変わることはなく、商品数は今や38種類にものぼる。山北会長の深い愛情から湧き出るアイデアで、多くの人の舌をうならせる、いや、心を揺さぶる商品が次々に発表されている。
 下村婦人会の活動や商品には地域づくり国土庁長官賞や農林水産大臣賞など、数々の栄誉に輝いている。しかし、何よりも光輝くのは、あの頃故郷の市房山を思い出しながら「市房漬」を食べた人の心に、そして今、日本中で愛情たっぷりの漬物を食べた人の心に忘れられない味として残っていることではないだろうか。
 今でも「市房漬」には、手に持つための紐がかけられている。


プロフィール

下村婦人会市房漬加工組合
昭和24年
    「下村婦人会」設立。
昭和32年
    「市房漬」を生産開始。

現在、15名の婦人(湯前町在住)で38種類の漬物を製造。
北海道・関東・関西の有名デパート・商店で販売。
(写真は理事の桑原さん)

 【お問い合わせ】
   下村婦人会市房漬加工組合
     電話番号 0966-43-3827



今もなお手に持つための紐が手作業でかけられる「市房漬」と「からし漬」
 

地元(湯前町)の婦人で構成されている加工場
 

 

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